裏話 [ 第2回 本作のシナリオについて ] ※本編のネタバレ含みます
第2回目です。
今回はCOSMOSカードゲームのシナリオについて
意識したことを書いていきます。
第1回で、本作はシナリオを長くするのには向いてないと書きましたが、
難解にするのも向いてないんです。
ただでさえ、ゲームのルールが複雑で投げてしまう人が出そうなのに、
シナリオまで難解にしたら、覚えることが多すぎて混乱する人が続出するでしょう。
ここで 本作の物語のスタイルは決まりました。
本作の物語のテーマは、「少年の心」。
本作のモデルというか、シナリオのイメージって、
「コロコロコミック」のホビー系マンガなんですよ。
「爆球連発!!スーパービーダマン」とか「超速スピナー」なんかの。
私は小学生のころ、特に「爆球連発!!スーパービーダマン」が大好きで、
もう、かっこよくて仕方なかったんですよ。
今思うと、むちゃくちゃな内容なんですけどね。
ビーダマンの勝負、しかも地方予選の決勝戦のためだけに、
スタジアムの中にピラミッドを作ったり(笑)
その中で走り回り、人間より大きい柱をビーダマンで壊しながら、
人間を自動追尾する爆弾を打ち合ったりするんですよ(笑)
柱はボロい設定らしいんですが、
人間が走り回っても壊れない床 を支えている柱を、
ビーダマひとつで破壊できるわけないじゃないですか(笑)
全国決勝戦は、スタジアムの中についに火山を作ってしまう。
小学生の大会にどこから予算が降りたんだよと(笑)
でもこの作品、純粋に面白いんですよ。
ビーダマンに人生をかけてる登場人物たち、
全国大会を目指して真っすぐに努力する姿、
少年の心をくすぐられるじゃないですか!
ウディコンに遊びに来る人は、私と世代の近い方が
けっこう多いんじゃないかと思います。
子どものころ、純粋にゲームが楽しかったあのころ。
やっぱり、今より当時の方が、「純粋」に楽しめたんですよ。
そういう体験を持ってる人なら、
こういう単純なストーリー、嫌いじゃないでしょう?
なので、私は己に眠るシリアスと厨二の属性を封印し、
純粋に熱い、単純明快、テンポが速い、セリフが少ない、
かつ「少年の心」を思い出せるようなストーリーラインを考えました。
以下、採用されたもの、ボツになったものの一例(理由つき)
採用基準:「楽しそう」「分かりやすい」「押しつけがましくない」
○ 「全国大会」 ← 純粋に熱く、分かりやすい。即採用!
○ 「生徒会」 ← 強いキャラだという事が分かりやすい。採用!
× 「教師」 ← 大人がでしゃばるより、学生同士の交流の方が楽しい。不採用!
× 「カードばかりして将来どうする?」 ← プレイヤーからしたらどうでもいい。説明不要!
○ 「悪の組織」 ←敵キャラだという事が分かりやすい。採用!
× 「悪の組織にやられた被害者」 ← 後味が悪くなるので、出さなくていい。不採用!
× 「各キャラがコマンダーになった理由」 ← 語りだすとテンポが悪くなる。不採用!
○ 「△×使い という異名」 ← 少年の心をくすぐる。採用!
○ 「メインキャラを女の子で固める」 ← 少年の心をくすぐる。採用(笑)
○ 「主人公は喋らない」 ← ドラクエやクロノトリガーが楽しい理由に、実はこれが大きい!
…こんな感じでしょうか。
おまけマンガ「合宿」においても、
このスタンスはキープして作成しています。
(ただ、おまけなので、各キャラの背景にはちょっとずつだけ触れてみました。)
本作の登場人物が、カードの話ばかりしてるのも、
シナリオに余計な要素を入れたくなかったからです。
プレイしていて、「物足りない」と感じた人はいても、
「押しつけがましい」「話が長すぎる」と感じた人は
ほとんどいなかったと思います。
また、本作には多数の女の子が登場し、
「クスラ」「モロハ」「アヤメ」「ヒョウコ」はもちろん、
「アクアマリー」「ブランディーナ」「コトリ」などのサブキャラも、
主人公と ちょいちょいフラグを作ってます。
当初は「好感度システム」と「個別エンド」も存在していたんですが、
全キャラのシナリオを回収する為に、義務的に何週もプレイさせてしまうのは、
何か違うな、と判断し、ボツになりました。
モロハのみ恋人にできるのは、せっかくだから、
そういう要素も残しておきたいなー、というオマケですね。
とにかくカードがメインのゲームなので、
シナリオが足を引っ張らないよう、スマートな構成を心がけました。
本作の登場人物のほぼ全員が、好戦的で明るい性格なのも、
みんな、少年の心を持っているからなんですよ(笑)
今回言いたかったこと まとめ
@ ゲームに合ったシナリオを組む
A ゲームに合った雰囲気を維持する
B 迷ったらテンポ重視
C 迷ったら主人公は喋らせない
D 純粋に楽しいと思えるシナリオは 内容の出来に関係なく 良いシナリオ